3Dプリンター(Phrozen Shuffle)を導入しつつMG ガンダムキュリオスを作る その1

デュナメスやエクシアと並べようと思い作る事にしたキュリオス。
それと今回から3Dプリンターも導入していこうと思うので今回はそちらの紹介がメインです。
3Dプリンターは色々な形式がありますが、自分は高い精度で造形できる光造形タイプの3Dプリンターを買いました。
前に買って少しずつ使い方を勉強していて、やっと操作などを覚えてきたので今回から取り入れていきます。
出力サイズや性能などによって光造形でも色々なプリンターがありますが、
自分は初めて挑戦するのでとりあえず日本の代理店かつ技術的なアフターサポートもある
SK本舗さんでPhrozen Shuffleというプリンターを購入。
価格は136,400円でした。

寸法は28cm×28cm×42cmで思ったよりは場所を取らず設置しやすいサイズです。
出力サイズは 12(幅)×6.8(奥行)×20(高さ)cmとなっていて
極端に大きい物は造形できませんが自分は今の所パーツを作るぐらいだと思うので扱いやすいサイズです。
フィギュアなどもっと大きい物を造形したいという場合サイズアップ版のPhrozen Shuffle XLという物もありました。

背面には電源スイッチの他、USBポートが2つ、LANポートが1つあります。

LANポートは有線LANで繋ぐ場合に使います。
USBポートはUSBメモリやwifi子機などを取り付け出力データを取り込みます。
wifi子機で繋ぐとPCのブラウザ上で詳細な設定や出力データの取り込みができるので
自分はUSBメモリでデータの転送をするのではなく、wifiで接続しました。
子機は安価な1000円程度のもので十分だと思います。

付属品はゴム手袋、漏斗、プラットフォームから造形物を剥がすためのヘラ2種、
プラットフォームのネジを締めたりする六角レンチ、それに自分は使いませんでしたがLANケーブルも付属していました。
ただレジンは別売なので別途購入が必要です。

カバーを展開するとこんな感じになっています。

プラットフォームにはゴムカバーが取り付けられたレジンタンクがはまっています。
使用時にはこのゴムカバーを外し、タンクに光造形用のレジンを注いでプリントします。

電源を入れるとモニタが点灯します。
このモニタはタッチパネル形式になっていました。

まずはタッチパネルで操作してLEDのテストをします。
タンクを外すとLEDパネルが見えるようになり

TESTパネルを押すとLEDが発光するのでムラなどがないかチェックしておきます。

続いてZ-AXISパネルを押してZ軸のキャリブレーションを行います。
画像のように4隅に紙を置き、プラットフォームのネジを緩めてからパネルを押すと自動でZ軸の校正が行われます。
あとはまたプラットフォームのネジを締めて固定します。

購入してから最初にやる作業はこのぐらいで後はデータを読み込ませ、別売のレジンをタンクに入れて印刷を開始するだけです。
思っていたよりは簡単に印刷作業に入れる感じでした。

続いてプリンタで作る物ですが、今回は初めて使うという事もあり手軽にできそうな
MGキュリオスで省略されていたハンドミサイルユニットのミサイルを作ってみる事にしました。
ミサイルの形状はガンダム00グレートメカニックの1stに簡単なラフがあったので
そちらを参考に作ってみる事にします。

印刷するための3Dモデルを作ります。
自分はメカ造形が中心になるとおもうので3DCADを使って作ってみる事にしました。
CADソフトは基本無料で有償のPro版もあるDesignSparkや非商用目的なら無償で使えるFusion360などがあります。
もちろんどちらも無料で試用できるのでとりあえず自分はこの2種を試しながら
使いやすい方を選んでいこうと思います。

という訳で今回はFusion360で試しにこのようなモデルを作ってみました。
単純な形なので慣れればすぐ出来ますが、初めて作る時は勝手が分からず苦労しました。
フィギュアを作ったりする場合粘土をこねるように造形できるBlenderやZBrushなども良いようです。

3Dモデルが出来たらそのデータをプリントするためにスライスソフトという物でさらにデータを加工します。
こちらのソフトもさまざまな物がありますがとりあえずPhrozen公式のPZSliceという物で加工しました。
スライスソフトを使う事でモデルを印刷するために必要なサポート(画像だとピンクで表示されている足)などが追加されます。
やはり勝手が分からないのでとりあえずオートでサポートを取り付け
印刷用のデータ(phzという形式)を出力しプリンタに送ります。

続いて印刷用のレジンパラメータを設定します。
なんどかテストデータで印刷してみたのですが、一番の注意点として
ベースレイヤ(印刷する時の基部となる部分)のLEDの照射時間が短いと途中で印刷が剥がれて失敗します。
○で囲っていますがデフォの80000だと失敗する事が多かったので130000に変更しました。

他にもまだ色々ありますがとりあえず自分は現在だとこのような設定に。
ただまだ煮詰め不足なのでさらに調整が必要そうです。

各種データが決まったらいよいよタンクにレジンを注いでプリント開始です。
注意点ですがタンクについているゴム製の蓋はかならず取り外して印刷します。
レジンは紫外線で硬化する液状のレジンでWHレジンのグレーをとりあえず使ってみました。
こちらは500mlで5,400円ほど。使う量はそれほど多くはないのですがやはりコストはそれなりに嵩みます。

積層のレイヤーが400層ほどですが大体2時間程度かかりました。
モデルの大きさによっても時間は変わりますが一瞬でできるという訳ではありません。
プリンタの動作音ですがスマホの騒音計で測るとこのような数値になります。
サイドに8センチぐらいのファンがありそれが全開で回るため結構うるさく感じます。

テストのデータでは上手くいっていたので大丈夫だろうと思っていましたが
ミサイルの最初の印刷が終わり、わくわくしながらタンクから引き上げてみると見事に失敗していました。

ミサイルの何基かはプラットフォームから剥がれてしまっていて印刷失敗。
さらに印刷出来ていた数個も1つを残し微妙に曲がっています。
見てみるとオートでサポートを付けた時中央にサポートが1つだけのものが成功。
横にサポートが付いていたものは歪んでしまっていました。

なので今度は手動で中央にのみサポートを付けて印刷。
剥がれ辛いよう土台も大きめに作って試してみた所印刷できたものは全て成功しました。

ただ全部成功という訳ではなく、3基ほどタンクのフィルムから剥がれず印刷が失敗していました。
もう少しレジンパラメーターを煮詰める必要がありそうです。

印刷物はタンクから引き上げるため未硬化レジンが残っているので
IPA(イソプロピルアルコール)での洗浄が必要となります。
細かい形状で拭くのも面倒なので自分は超音波洗浄機にIPAを入れて洗浄しました。
最初は車用の水抜き剤(これもIPAです)を使っていたのですが
各種洗浄するのに大量に使うため1Lをさらに買いました。

洗浄してミサイルがたくさん出来上がりました。
データさえ作ってしまえば大量に量産できるのは強みだと思います。


驚いたのは精度の高さで肉眼ではほぼ積層跡は見えず、サフを吹けば埋まるレベルですし
0.4mmほどの薄さの翼の先端のテーパーもきっちり再現できていました。
スジボリも幅0.15mmで設定していましたが埋まることも無かったです。
ただ深さはもう少し深く設定しても良かったかも。
とくに粗も見当たらずサポートから切り離す時のゲート跡を処理すればそのまま使えそうです。

まだまだ使い始めたばかりで上手く扱えていないのですが3Dモデリングは思った以上に楽しく
細かいパーツも量産できるのが凄く便利です。
そのうち手首なども作れるようになりたいですね。
ただ洗浄が結構大変なのでそのうち水洗いできるレジンなども試してみようと思います。
(プレミアムバンダイ)

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